今回は「クルミ」に含まれる栄養と、それを摂取することでどんな効果が得られるのかをまとめました。
ナッツを日常的に食べている人はまだまだ少ないのではないでしょうか?
この記事を読めば、すぐにでもクルミが食べたくなるはずです。
クルミを食べるとどうなる?
まずはクルミを食べ続けることで得られる効果のまとめです。
理由なんていいから結果だけ知りたい
忙しい方はここだけ見ればOKです!
- 生活習慣病予防
- ダイエット効果
- 睡眠の質が向上する
- 美容に良い
- アンチエイジング効果
- 便秘解消
- 免疫機能改善(花粉症やアトピー性皮膚炎など)
これらの効果が期待できます。
すご過ぎて信じられないだろう
では、実際にクルミにどんな成分が含まれるのか見ていきましょう。
効果それぞれに根拠があるので、しっかり腑に落ちるはずです。
ナッツ類最多のオメガ3脂肪酸「αリノレン酸」
クルミには、ナッツ類でも最多のオメガ3脂肪酸が含まれます。
まずはこちらの図をご覧ください。
常温で液体の油を「不飽和脂肪酸」と言います。
そのうち、クルミに含まれるのはオメガ3という分類のうちの「αリノレン酸」です。
αリノレン酸は、体内で合成できない「必須脂肪酸」のひとつで、食物から補給するしかありません。
αリノレン酸は、体内でDHAやEPAなどに変換されます。
魚の油は体にいいと言われますが、それはこのDHAやEPAのことを指しています。
DHAやEPAには実に色んな効果があることがわかっています。
DHA効果
- 記憶力、判断力の向上
→脳内神経伝達物質量を増やし、情報伝達能力を向上させる
→子供がDHAを摂取した場合、知能指数が上がり、学流能力・集中力が高まる
→認知症患者がDHAを6ヶ月摂取すると、判断力が高まる - 血流改善
→DHAには血管壁、赤血球の細胞膜を柔らかくする働きがある - 中性脂肪低下、HDLコレステロール増加
→高脂血症・動脈硬化の改善
→心筋梗塞など生活習慣病の予防 - 視力回復
→目の網膜に含まれる脂肪酸の40%程度はDHAが占める
EPA効果
- 血液をサラサラにする
→血小板の凝集を抑制し、血栓を作りにくくする - 中性脂肪・LDL(悪玉)コレステロール低下
- HDL(善玉)コレステロール増加
→HDLコレステロールは、身体中からLDLコレステロールを回収する働きを持つ - 免疫力が高まる
→EPAには、抗炎症作用や免疫力を高める効果がある - アレルギー症状の緩和
→アレルギーに関与する「アラキドン酸」の働きを抑える
→アラキドン酸とEPAは、同じ不飽和脂肪酸の仲間で似ているため、アラキドン酸の仕事を奪うことができる
オメガ3、すごくない?
DHAやEPAは主に青魚に含まれますが、クルミに含まれるαリノレン酸の摂取でも同じような効果が得られます。
また、αリノレン酸自体の効果としては、体内でリノール酸と拮抗します。
リノール酸は、お菓子やパン、カップ麺、ファストフードなどの「加工食品」に多く含まれます。
必須脂肪酸の一つではあるのですが、現代人の生活では過剰摂取になりがちです・・・。
リノール酸が過剰になってしまうと、免疫機能が低下することがわかっています。
そこで、αリノレン酸を摂ることで、リノール酸の働きを邪魔することができます。
その結果、免疫機能の改善が期待できるわけです。
豊富な「ポリフェノール」でアンチエイジング
クルミにはポリフェノールも多く含まれています。
一般的にポリフェノールが多いと言われる、赤ワインやリンゴジュースと比べても引けを取りません。
ポリフェノール含有量は・・・
ひと掴みのクルミ > リンゴジュース1杯、赤ワイン1杯です。
ポリフェノールは強力な「抗酸化作用」をもち、活性酸素の働きを抑えます。
- 活性酸素とは
-
文字通り、体内で酸素の一部が活性化したもの。
免疫機能に関与し、感染防御などに必要な存在。体内には「抗酸化酵素」が備わっており、活性酸素の働きをコントロールしている。
しかし過剰になってしまうと、老化やガン、動脈硬化や生活習慣病のリスクを高めてしまう。- 紫外線
- たばこ
- 酸化された物質(油)の摂取
- ハードな運動
- ストレス
これらは活性酸素を増やしてしまう原因になり得ます。
また、活性酸素が増えることを、「酸化ストレスを受ける」と言います。ハードな運動・・・筋トレも!?
トレーニングをしている人も、活性酸素が溜まってしまっている可能性が高いです。
クルミを食べることで、活性酸素の働きを抑えられますから、日々のトレーニングのケアとしても機能するわけです。
現代人はストレスも多く、普通に生活していれば、酸化ストレスを受けてしまっています。
そこで、外部から「抗酸化物質」を摂る必要があるのです。
抗酸化物質には、他にビタミンC、ビタミンEなどがあります。
睡眠ホルモン「メラトニン」
クルミには「メラトニン」も豊富に含まれています。
メラトニンは人体に元々備わっているホルモンの一種で、睡眠リズム(体内時計)の調節に役立っています。
朝日を浴びることで、メラトニン濃度が下がれば、目がスッキリ覚めますし、
夜になり遅い時間になってくると、メラトニン濃度が高まり、自然と眠くなってきます。
メラトニンは「体内時計のリセット」と「良質な睡眠」に関わっています。
クルミの摂取により、このメラトニン濃度が約3倍になることがわかっています。
クルミを食べれば睡眠の質が上がり、生活リズムが整いやすくなるんだな
また、最近の研究でメラトニンには、抗酸化作用やガン・心疾患のリスクを下げる可能性も見出されています。
摂っておいて損はないですね!
睡眠についてはこちらで詳しく解説しています。
美容効果まで期待できる!
クルミには、美容にも嬉しい効果がいっぱいです。
というよりも、全ての健康効果が美容に集約されると言っても過言ではありません。
- 血流改善により、肌や髪へ栄養が行き渡る(αリノレン酸効果)
- 抗酸化作用による、アンチエイジング(ポリフェノール、メラトニン、ビタミンE効果)
- 睡眠の質改善により、ホルモンバランスが整う(メラトニン効果)
- 便秘改善により、腸内環境改善(食物繊維効果)
- 間食などを置き換えることで、ダイエットにも(脂質は吸収が緩やかで腹持ちがいい)
他にもビタミンB群・ミネラル等も含まれていますが、カロリー過剰にならない範囲内でクルミを摂取すると仮定した場合、実感できるレベルで期待される効果はこれらでしょう。
これを魅力的と思うか、大したことないと思うか、どっちだい?
クルミはどれぐらい食べればいい?
クルミの栄養と、クルミのメリットは十分伝わったかと思います。
続いては、「実際にどのくらい食べればいいのか」について考えましょう。
クルミも他のナッツ類と同じく、その重量の多くを脂質が占めますので、やはりカロリーには注意しなければなりません。
具体的には、25g前後(7〜10粒)がおすすめです。
というのも、この量で1日に必要なオメガ3の量をほぼ満たせます。
その上、おやつの範囲内である200キロカロリーに余裕で収まります。
これらの理由より、クルミは25g、10粒まで(ひとつかみ程度)と覚えておきましょう。
クルミの効果まとめ
では最後に、「クルミを食べることで期待できる効果」のおさらいです。
- 生活習慣病予防(中性脂肪↓、LDLコレステロール↓)
- ダイエット効果(脂質が多いためクルミは10粒まで)
- 睡眠の質が向上する(体内時計が整う)
- 美容に良い(血流・栄養状態・腸内環境の改善、抗酸化作用)
- アンチエイジング効果(ポリフェノール、ビタミンE、メラトニンの抗酸化作用)
- 便秘解消(不溶性食物繊維が豊富)
- 免疫機能改善(αリノレン酸・DHA・EPAの働きによる)
とんでもないスーパーフードが身の回りにありましたね。
少しでも気になったなら、日々の生活にクルミを取り入れてみてください。
決して高いものではありません。健康に関心のある方はぜひ!
毎朝、アーモンドと一緒に食べよう!
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